ゼブラフィッシュを用いた化学物質に対する生態毒性試験
書誌事項
- タイトル別名
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- Research on ecotoxicity study using zebrafish to chemicals
説明
多種多様な化学物質によるヒト健康影響と環境影響を2020年までに最小化するWSSD2020年目標が2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」にて採択された。国際的な化学物質管理として,その環境影響を評価し,リスクを最小限にする管理が世界的に求められている。環境影響評価の一環として,藻類,甲殻類,魚類等,生態系を構築する生物を用いた毒性試験(生態毒性試験)の実施が求められ,それらの結果は世界各国の化学物質(農薬や医薬品を含む)に関する法規制等の管理に用いられている。<br>硬骨魚類であるゼブラフィッシュ(Danio rerio)とメダカ(Oryzias latipes)は小スケールでの飼育が簡易,多産(繁殖が容易),短いライフサイクルであるといった,実験生物として適した特徴を持っており,古くから多くの研究者に利用されている。この特徴を活かし,化学物質に対するゼブラフィッシュやメダカを用いた魚類の生態毒性試験が数多く提案されている。それらの試験は毒性の評価区分に応じて急性試験と慢性試験に大別される。また,OECDでは,魚の慢性試験としてライフステージやエンドポイント(成長,繁殖性,内分泌攪乱作用)の違いによって,複数の化学物質に対する試験法ガイドラインを開発している。それらの試験法は,生物のライフイベント時の特異的な影響を捉え,主に継世代影響(母体への影響,生殖細胞への影響,遺伝的蓄積,化学物質の蓄積,等)を評価している。<br>本演題では,ゼブラフィッシュやメダカを用いた化学物質の急性毒性試験(OECD TG203),胚・仔魚期短期毒性試験(OECD TG212),初期生活段階毒性試験(OECD TG210),魚類短期繁殖試験(OECD TG229),性発達試験(OECD TG234)および多世代繁殖試験の概要や実施例をゼブラフィッシュやメダカの生理学的特徴や解剖学的な特徴と併せて紹介する。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 42.1 (0), S20-2-, 2015
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205548937728
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- NII論文ID
- 130005483774
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可