From nonclinical research perspectives
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- ASAKURA Shoji
- Tsukuba Drug Safety, Eisai Co., Ltd.
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- NAGAYAMA Yuko
- Tsukuba Drug Safety, Eisai Co., Ltd.
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- MANO Yuji
- DMPK Tsukuba, Eisai Co., Ltd.
Bibliographic Information
- Other Title
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- 医薬品を開発する非臨床担当者の立場から
Description
医薬品開発における非臨床研究の目的の一つは、臨床試験における被験者の安全を確保しうる情報の提供である。通常臨床導入に際し、非臨床薬理、動態研究に加え、動物2種を用いた2~4週間反復投与毒性試験が行われ、毒性プロファイルが明らかにされる。得られた無毒性量(NOAEL)を基に、種差、十分な安全域を考慮して初回投与量、投与方法が決められ、標的臓器の変化を慎重にモニターしながら投与が行われる。<br> 2016年1月、フランスのレンヌで行われた新薬(BIA 10-2474)の臨床フェーズ1試験において、投与後、健康成人被験者が重篤な脳障害で死亡し、製薬産業のみならず社会的にも大きなインパクトを与えた。公開されている情報を見る限り、非臨床安全性のパッケージは極めて重厚で、一般毒性試験としては4種(マウス、ラット、サル、イヌ)を用いた4および13週投与試験、ラットの26週間投与試験が行われており、いずれの試験においても臓器毒性は見られていない。臨床用量は最も感受性の高い動物種(ラット)のNOAELのヒト等価用量の約1/400(0.25 mg)で開始され、単回漸増投与でほぼNOAEL相当の100mgまで投与されたが重篤な副作用は認められていない。その後行われた50mgの反復投与5日目で事故は起きたが、これも動物のNOAEL以下の投与量であった。情報は限られているものの、一見する限り非臨床上の問題は見出されない。<br> 今回の発表では、BIA 10-2474の非臨床試験の内容について、既存の情報を基に出来るだけ詳細に紹介する。今回の事件はなぜ起きたのか、医薬品を開発する非臨床研究の立場からさらに対応できることはなかったのか、足りないことは何か、等について考察する。今後二度と同様の事故が起こらないようにするため、非臨床研究者として何をすべきか問題提起するとともに、議論のきっかけとしたい。
Journal
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- Annual Meeting of the Japanese Society of Toxicology
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Annual Meeting of the Japanese Society of Toxicology 44.1 (0), S25-4-, 2017
The Japanese Society of Toxicology
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205549195264
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- NII Article ID
- 130006582277
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed