シクロフォスファミドのマイクロミニピッグを用いた28日間反復毒性試験(その2)
書誌事項
- タイトル別名
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- Twenty eight-day repeated toxicity of cyclophosphamide in micromini pigs (part 2)
説明
2011年欧州議会は,動物実験において霊長類の使用を原則禁止とし,イヌやサルの使用は難しくなりつつある.その代替動物としてミニブタが広く利用されるが,その大きさやハンドリングの難しさという課題が残っている.マイクロミニピッグは体重が10 kg前後の超小型ミニブタで,ハンドリングも容易であることから実験動物としてのニーズが高まってきている.<br> 昨年の第43回学術年会において,我々はマイクロミニピッグの一般毒性試験における有用性を確認するために抗悪性腫瘍薬であるシクロフォスファミド(CPA)を4週間反復投与し,その毒性について臨床検査データを中心に報告した.今回は,病理組織学的検査及び免疫毒性学的検査について,詳細な結果が得られたので併せて報告する.<br>【方法】雄性マイクロミニピッグ1群各3例の4群を設定し,それぞれCPAを0,1,3及び10 mg/kg,4週間反復強制経口投与し,一般状態の観察,体重測定,摂餌量測定,眼科学的検査,心電図検査,尿検査,血液学的検査,血液生化学的検査,免疫学的検査(免疫グロブリン検査,白血球貪食能検査,リンパ球サブセット検査)及びTK測定を行った.また,最終投与の翌日に剖検を実施し,器官重量測定及び病理組織学的検査を実施した.<br>【結果】CPAの4週間反復強制経口投与により,赤血球系パラメーター及び白血球系パラメーターの変動,免疫担当器官の重量変化,T細胞及びB細胞の減少,IgM及びIgGの減少がみられ,CPAの顕著な免疫抑制作用が認められた.病理組織学的検査では,造血器系組織の萎縮,消化管粘膜の出血,出血性膀胱炎及び腺上皮化生,精巣ライディッヒ細胞の萎縮が認められ,ヒトやその他の実験動物と同様の変化が確認された.以上から,マイクロミニピッグは一般毒性の他に免疫毒性の評価においても有用な動物種であると考えられた.
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 44.1 (0), P-73-, 2017
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205549709568
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- NII論文ID
- 130006582204
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可