<i>gpt </i>deltaラットを用いた<i>gpt</i>アッセイおよび<i>Pig-a</i>アッセイによるニトロフラントインの<i>in vivo</i>変異原性の検討

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タイトル別名
  • <i>In vivo </i>mutagenicity of nitrofurantoin tested by<i> gpt </i>and<i> Pig-a </i>mutation assays using<i> gpt</i> delta rat

抄録

【目的】合成抗菌剤(動物用医薬品)として使用されているニトロフラントインは、ラット腎に対するがん原性が報告されている。一方、その遺伝毒性に関しては、細菌を用いる復帰突然変異試験、CHO細胞を用いる姉妹染色分体交換試験および染色体異常試験で陽性、in vivo試験ではマウスおよびラットの肝、腎、肺、脾、骨髄においてDNA切断を誘発するが、ラット小核試験、マウス精細胞を用いた染色体異常試験では陰性とされている。今回、ラット肝臓を用いたトランスジェニック動物遺伝子突然変異試験(TGR試験)と末梢血を用いたPig-aアッセイを実施し、本剤のin vivo変異原性の検討を行った。<br>【方法】10週齢、雄のSlc:WistarHannover/Rcc-Tg(gpt delta)ラットに、用量設定試験の結果を基に0(対照群)、 31.25、 62.5および125 mg/kg/dayのニトロフラントインを28日間反復経口投与した。3日間の休薬後に肝臓を採取してTGR試験(gpt アッセイ)を実施した。陽性対照群としてN-ethyl-N-nitrosourea(ENU) を50 mg/kg/dayの用量で1~5日目に腹腔内投与し、ニトロフラントイン投与群と同日に肝臓を採取した。また、投与前および初回投与後1週間毎に計5回採血し、赤血球を用いたPig-aアッセイを実施した。<br>【結果】肝臓のgpt遺伝子突然変異体頻度は、低、中用量群で明らかな差は認められなかったが、125 mg/kg群(28.08×10-6)で対照群(6.31×10-6)と比較して有意な増加が認められた。また、Pig-aアッセイにおいても125 mg/kg群で投与2週目以降に変異頻度の有意な増加が認められた。<br>【まとめ】ニトロフラントインの変異原性を、ラットを用いたTGR試験(肝臓)およびPig-a突然変異試験(末梢血)により検討した。ニトロフラントインがin vivoで変異原性を示すことが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205549857536
  • NII論文ID
    130006582121
  • DOI
    10.14869/toxpt.44.1.0_p-198
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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