ヒトiPS由来心筋細胞を用いた多電極アレイシステムによる催不整脈作用評価系の検証 -CSAHi MED64チーム

北口 隆, 森山 友太, 宮本 憲優, 谷口 智彦, 安藤 博之, 宇田 宗晃, 小田部 耕二, 小口 正夫, 清水 茂一, 斉藤 裕之, 虎谷 厚志, 浅山 真秀子, 山本 渉, 松本 恵美, 佐治 大介, 大中 浩貴

doi:10.14869/toxpt.42.1.0_p-239

【背景】<br>　現在，医薬品の安全性評価において，薬剤誘発性の致死性不整脈（TdP）を予測するために，ICH S7Bガイドラインに基づき，覚醒下動物を用いた心電図（QT間隔延長）試験，hERGチャネル阻害試験および種々のフォローアップ試験が行われている．しかし，よりヒトへの外挿性の高い試験法の開発が望まれている．近年，市販のヒトiPS細胞由来心筋細胞が複数のメーカーから入手可能になった．ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いた新規in vitro心毒性評価系は，動物実験の種差の壁を越え，さらにhERGチャネル直接阻害以外の機序も含めた薬剤の催不整脈作用を評価できるプラットホームとして期待されている．そこで我々は製薬協主催「ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム（CSAHi）」を母体として，ヒトiPS細胞由来心筋細胞の医薬品の安全性評価への応用を検証すべく，市販のヒトiPS細胞由来心筋細胞および多電極アレイシステム（multi-electrode arrays：MEA）を用いて，心臓に対して種々の作用機序を有する薬剤の細胞外電位への影響を評価した．<br>【方法・結果】<br>　iCell®心筋細胞（CDI）を6 well plate上で7-14日間プレ培養し，フィブロネクチンコートしたMEAプローブ（MED-P515A，アルファメッドサイエンティフィック）上に3×10⁴ cells/2 μLを播種した．播種後5から10日にMED64（アルファメッドサイエンティフィック）を用いて細胞外電位を測定した．評価薬剤は累積適用し，各適用後10分間測定し，最後の30拍を解析対象とした．解析パラメータは拍動間隔，細胞外電位持続時間および細胞外電位の波形異常とした．本発表ではモルモット心室筋活動電位アッセイで擬陰性になる薬剤群や，種々のイオンチャネルに作用する薬剤の評価結果を報告する予定である．

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