SDラットにおける光毒性試験の条件検討(1):薬物誘発性光毒性に対する皮膚感受性の部位差及び雌雄差

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タイトル別名
  • Validation studies for <i>in-vivo</i> phototoxicity evaluation in Sprague-Dawley rats (1) - Skin site and sex differences in sensitivity to drug-induced phototoxicity

抄録

【背景】光毒性試験の使用動物を一般毒性試験と揃えることができれば、光毒性試験における投与量や光照射タイミングの設定に必要なMTDやTmaxなどの情報を一般毒性試験から得ることが可能となる。即ち、光毒性試験の用量設定のための試験を別途実施する必要がなくなり、使用動物数及び試験費用などを削減できる。しかし一般毒性試験で汎用されるSprague-Dawley(SD)ラットを用いた光毒性試験の実験条件は標準化されておらず、使用する照射部位や性別などは施設によって様々である。本研究ではSDラットを用いた光毒性試験における最適実験条件を探索することを目的として、武田薬品工業、科研製薬及びLSIメディエンスの3社において薬物誘発性光毒性に対する皮膚感受性の部位差及び雌雄差を検討した。<br>【方法】各施設において雌雄SDラットに既知の光毒性陽性物質であるlomefloxacin hydrochloride(投与量:30及び100 mg/kg)を経口投与し、1時間後(Tmax)に麻酔下で腹部皮膚、背部皮膚又は耳介に光照射した。光照射装置は紫外線照射装置(デルマレイ-200又はM-DMR-1)又は疑似太陽光照射装置(SXL-5009V)を用いた。照射2、24、48及び72時間後に各照射部位の皮膚反応を観察し、Draizeの判定基準に従って皮膚評点をつけた。また、非照射動物を用いて血漿中薬物濃度を測定した。<br>【結果・考察】全施設において雌の腹部皮膚の皮膚評点が最も高く、光毒性検出感度は最も高いと考えられた。逆に皮膚評点が最も低かったのは雄の背部皮膚であった。いずれの性においても概して腹部≧耳>背部の順で皮膚評点は高かった。また、血漿中薬物濃度に雌雄差はなかったが、腹部及び背部皮膚においては雌の方が雄よりも皮膚評点が高い傾向であった。以上のように、部位及び性別によって薬物誘発性光毒性に対する皮膚感受性は異なるため、光毒性試験においては適切な部位及び性別を選択することが重要である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205550141952
  • NII論文ID
    130006582030
  • DOI
    10.14869/toxpt.44.1.0_p-254
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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