アノマー効果再訪。CH/n水素結合による解釈

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タイトル別名
  • Anomeric effect revisited. CH/n hydrogen bond hypothesis

抄録

非経験的軌道法 MP2/6-311++G(d,p) により, oxane, 1,3-dioxane, 1,3-dithiane の2−置換誘導体の配座エネルギーと幾何学的構造を計算した.アノマー効果に関して,軌道相互作用(nーσ*)による従来の解釈が正しいことは改めて実証されたが,同時にCH/n水素結合の重要性が示唆された.すなわち,2位置のヘテロ原子Xから数えて3番目の炭素に付いたアキシアル水素とα—Xとの距離はファンデルワールス半径の和より明らかに短く,その程度はXの電子的性質に依存する.このことは5員環CH/n水素結合の関与を示唆している.結晶学データベースによる検索も上の結果を裏付けた.CH/π水素結合と異なり,CH/n水素結合には静電相互作用の寄与が大きいため,アノマー効果が極性溶媒中で小さくなることも説明する.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205555351168
  • NII論文ID
    130004645146
  • DOI
    10.11494/kisoyuki.18.0.49.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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