原始惑星系円盤との重力相互作用を考慮した原始惑星形成
書誌事項
- タイトル別名
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- Formation of Protoplanets with the Effect of Dynamical Friction from a Gas Disk
説明
現在、以下のような惑星形成シナリオが広く認められている。まず km サイズの微惑星が暴走成長を起こし、月質量弱(約10^{25}g)の天体が形成される(e.g. Kokubo & Ida 1996)。その後、天体は寡占的成長をし、火星質量程度(約0.1地球質量)の原始惑星が地球型惑星領域(0.4 - 1.5AU)に数十個形成される(Kokubo & Ida 1998,2000)。形成当初はほぼ円軌道をしているが、原始惑星どうしの相互重力や、原始惑星からの重力相互作用により楕円軌道化していく。原始惑星は軌道交差を開始し、衝突合体を起こす。楕円軌道は、円盤ガスや残っている微惑星からの重力相互作用により円軌道化され、地球型惑星は形成される。以上のような惑星形成が起こる際、円盤内にはガスや残存微惑星盤が残っていると考えられる。円盤があることにより、ガスの粘性による摩擦(e.g. Adachi et al. 1976)や円盤との重力相互作用による力学的摩擦が天体に働く。その結果、原始惑星の離心率、軌道傾斜角、軌道長半径は減衰される(Ward 1986, Artymowitz 1993, Tanaka et al. 2002)。粘性摩擦は天体の質量小さいほど効いてくるが、天体質量が月質量程度(約10^{25}g)以上になると力学的摩擦力が効いてくる。原始惑星ができる段階までの軌道計算において、ガス円盤からの力学的摩擦力の効果を入れた計算はなされていない。しかし、原始惑星の質量は月質量以上なので、この効果により、出来上がる原始惑星分布が今まで考えられている分布と異なってくる可能性がある。地球型惑星の配置や質量等は原始惑星の配置、質量などに左右される。本研究では力学的摩擦力による離心率、軌道傾斜角、軌道長半径の減衰を考慮し、原始惑星が形成される段階を N 体計算し、それらが原始惑星形成にどのような影響を与えるのかを調べる。
収録刊行物
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- 日本惑星科学会秋季講演会予稿集
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日本惑星科学会秋季講演会予稿集 2003f (0), 12-12, 2003
日本惑星科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205556369408
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- NII論文ID
- 130006955018
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可