シアーズ・ローバックのカタログにみる米国の生活デザイン

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書誌事項

タイトル別名
  • Life design of America through the catalogues of Sears Roebuck
  • Washing machine from late 19 th century to 20 th century
  • 19世紀末から20世紀の洗濯機を中心に

抄録

目的 1886年創設のシアーズ・ローバック社のカタログは世界に先駆け大衆消費社会を生み出した20世紀アメリカの生活文化を物語る資料としての有用性が認められている。本研究はシアーズが特に力を入れていた衣類と深い関わりがあり、その頃の家事の中でも重労働であった洗濯仕事から女性を解放してきた洗濯機に焦点を当て、その変遷をみるとともに当時のアメリカの人々の生活を読み解くことを目的とする。<BR>方法1895年から1993年まで発行されたカタログの中で、入手できた32冊を資料とし、これらに掲載されている商品とそこに記載されている商品データをもとに分析を行う。特に、より信頼性の高いデータを得るために、シアーズが人々に浸透し始めた1900年頃から隆盛を極めていた1970年代頃までのカタログを中心に解析していくこととした。<BR>結果1897年から1909年までは、手動式の洗濯機のみであったのが、1923年になると電動式・ガソリンエンジンを用いたガソリン式のものが掲載されるようになる。その後、ガソリン式が姿を消し、手動式と電動式の2種類となるが30年代に大恐慌の影響を受けてか、ランニングコストが安くて経済的とされるガソリン式が再び登場し、1952年までこれらが混在している。その後、新しい素材と相まって多様な機能が搭載されるようになり、1954年より電動式のみの掲載となる。1923年に始まった電動式の進展はこうして1960年代には完全な形で実現されるようになったことが分かった。しかし、電動式が登場してからも手動式のものが長きに渡って掲載されていたことから、手動式から電動式への移り変わり、電動式の洗濯機が完全に家庭に浸透していったのには時間を要したということが確認できた。洗濯機と衣類との関わりについても知見を得た。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205556971904
  • NII論文ID
    130006955079
  • DOI
    10.11428/kasei.62.0.111.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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