環縫いミシンを用いたニット縫製に関する研究

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タイトル別名
  • A Study on Knit Sewing by Differential Feed, Coverstich Sewing Machine for Industrial Use.

抄録

【目的】ニット地は、身体の運動機能に対応する伸縮性を有するため、近年、下着から外衣まで用途が広がり需要が増加している。ニット縫製において、ニット地に適合した縫い特性を得るためには、縫製条件及び布地の物理的特性と縫い特性の関係の把握が重要である。本研究では工業用環縫いミシンを用いて縫製実験を行い、縫製条件及び布地の物理的特性が縫い特性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。 【方法】実験には、差動送り機構を有し、二重環縫目と偏平縫目のステッチ形式(JIS:406、407、602、605)が設定可能なミシン(JUKI MF-7723)を使用した。ステッチ形式は主として406(針糸2本、ルーパー糸1本)を用いた。縫製条件は、押え金圧力、縫い糸張力、差動比を数段階変化させた。送り歯の主送り量をLA、副送り量をLBとすると、差動比はLB/LAで表され、LB/LA<1は伸長縫い、>1は縮み縫いとなる。用いた布地は綿100%のスムースで、試験布を2枚重ね、縫製条件を種々組み合わせてコース方向に縫合した。縫製後、単位長さあたりの縫糸消費長、縫目引張り強伸度を測定し、縫目付近の外観を観察した。 【結果】ステッチ形式は2本針を3本針に変化させると(406→407、602→605)、2本針のステッチに比べて、縫目引張り伸長率が低くなり、縫目引張り強度が増加する傾向がみられた。ステッチ形式406の縫製実験の結果は、LB/LAの増加にしたがい縫糸消費長及び縫目引張り伸長率は減少傾向にあり、2本の針糸消費長と伸長率の間には正の相関が認められた。また2本の針糸張力の増加は縫目引張り伸長率を低下させるが、ルーパー糸張力の増加は針糸消費長を増加させるため伸長率を高くする傾向がみられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205557149440
  • NII論文ID
    130006955317
  • DOI
    10.11428/kasei.59.0.13.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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