福祉教育に向けた衣服着脱時の障害者体験に関する基礎的研究

書誌事項

タイトル別名
  • A fundamental study of handicap person when wearing for welfare education

説明

【目的】現在の家庭科教育において、福祉教育では体験学習を学習方法としていることが多い。現在行われている体験学習には「高齢者体験キット」、「アイマスク」、「車椅子」などを用い、校内を移動してみるといったものがある。しかし、これらの体験学習では『体験』することだけが目的となりがちで、高齢者や障害者にたいして、偏見を強めることになりかねないと懸念されている。一方、障害者・高齢者の80%以上が健常者用の既製服を着用し、着脱の困難さ、着装時の着崩れなど不満を感じているという報告がある。そこで、衣服の着脱動作に着目し、健常状態と擬似障害状態での相違を明らかにし、擬似障害者が障害者のシミュレーションとなるかを明らかにする。<br>【方法】実験(1)被験者:健常な大学生37名。健常状態と擬似障害状態で着脱動作を行った。着脱手順:任意。実験衣:前あきシャツ、かぶり型シャツ。方法:着脱動作をビデオ撮影し、これより着脱手順をパターンで分類した。感覚評価:着脱動作後に難易性と動作時の身体への負荷について、口頭で聞き取り調査を実施した。実験(2)被験者:健常な大学生3名。健常状態と擬似障害状態。着脱手順:指定した手順。方法:腕の動きを中心にビデオ撮影した。感覚評価:実験_丸1_と同様。さらに手順の違いによる着脱のし易さの違いについても聞き取り調査した。分析:録画資料から左右の手首点、肘点、肩峰点の6点をデジタイズして動作の軌跡を検討した。<br>【結果】擬似障害者が障害者の簡単なシミュレーションとなることが明らかとなった。これより、体験学習において擬似障害者となり着脱動作を行うことは有用であると提言できる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205557385984
  • NII論文ID
    130006955547
  • DOI
    10.11428/kasei.58.0.295.0
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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