A survey on water in south-eastern Anatolia

DOI

Bibliographic Information

Other Title
  • トルコ南東アナトリア地方の水調査

Abstract

目的 トルコ共和国の南東アナトリア地方は、高温半乾燥地域で、降雨依存型農業と牧畜業を生業とし、人口の半数を占めるクルド語を母語とする人々とアラブ人、トルコ人、スリヤーニと呼ばれるシリア正教徒が混在している。一人あたりのGDPが低い、人口増加率が高い、人口流出が激しいなどの特徴がある。1980年代からの開発により潅漑面積は飛躍的に拡大し、農産物の生産量も向上したが、土地所有格差は解消されないままであり、さらに、ユーフラテス川上流の開発により、下流環境への様々な悪影響が指摘されている。本研究は、南東アナトリアおよび地中海沿岸地方の生活用水を調べ、この地域の水環境の現状と水資源保護について検討する。<BR>方法 シリア国境近くのマルディン~ガズィアンテップから地中海沿岸のメルシン~アンタルヤまでのトルコ南部の生活用水を採取し、上水道試験方法にしたがって水質を調べた。<BR>結果 調査した地域の都市や集落には上水道が整備され、比較的よく管理されていた。南東アナトリア地方の試料はNO3-含有量が多く、山の斜面に造られた町では、水圧が低いため水道水をタンクに貯蔵していた。一方、地中海沿岸地方の試料は硬度が315mg/L以上で、高いSO4-2の濃度を示した。全ての試料で鉱酸酸度は認められず、これは多くの塩湖や塩湿地が点在するアルカリ土壌のためであろう。大半の試料からNH4+、K+またはPO4-3が検出されており、肥料や農薬の過剰使用による水道原水の汚染が考えられる。これらの水を住民がそのまま飲んだり調理に使っていることを考えると何らかの対策が必要である。高度浄水処理の導入に加えて、水資源保護のために排水や廃棄物処理などの衛生施設の充実が望まれる。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205557403392
  • NII Article ID
    130006955569
  • DOI
    10.11428/kasei.61.0.310.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top