19世紀中頃の英国のデザイン(6)
書誌事項
- タイトル別名
-
- British design in the mid-nineteenth century (6)
- A color design in fabric through The Journal of Design and Manufactures
- -The Journal of Design and Manufactures"にみる織物の色彩デザイン-
抄録
【目的】英国の織物産業についてのデザインの観点からの研究はほとんどがウィリアム・モリス以降のものである。一般的に近代デザイン史の始まりは、1851年のロンドン万国博覧会後、モリスやジョン・ラスキンらによるアーツ・アンド・クラフツ運動とされる。しかし、英国ではロンドン万博以前にも、1837年にスクール・オブ・デザインの開校、1849年に”The Journal of Design and Manufactures”の発行など、ヘンリー・コールを中心としたデザイン改革の動きがみられる。そこで本研究では、近代デザイン史のめばえを1851年のロンドン万国博覧会以前とする仮説のもとデザインにおける近代化について解明していく。特に本報ではテキスタイルにおける色彩デザインについて述べる。【方法】資料”The Journal of Design and Manufactures”(1849年3月_から_52年2月,Chapman&Hall社)を中心に文献調査を行う。【結果】テキスタイルの色彩デザインに関して”The Journal of Design and Manufactures”では、実際に当時流通していた織物の紹介を通して、主にプリント布の配色について述べられていた。そこにはゲーテの色彩論の影響が色濃くみられ、補色、対比、調和といったキーワードがしばしば使われた。プリント布のデザインは地色と文様の色の組み合わせや配分をよく配慮し効果的なカバーリング(表面全体の色付け)を目指すべきであるとし、配色が悪い製品には批判をしている。業者は天然染料の組み合わせを駆使して新しい色を作り出すことに尽力し、プリントと染色、または綿および綿の交織、毛など複数の技法や材料でも共用できるより合理的な染料の開発も行われていた。これは大量生産を見据えてのことと推察する。一方、教育現場ではスクール・オブ・デザインにおいてデザインにおける色彩の専門教育が行われていた。
収録刊行物
-
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
-
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 57 (0), 132-132, 2005
一般社団法人 日本家政学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205557727616
-
- NII論文ID
- 130006956059
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可