中学生のレジリエンスと食生活状況との関連

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between resilience and the state of dietary habits of junior high school students

説明

目的 健康な精神活動を維持するのに不可欠な心理特性であるレジリエンスの概念が近年,欧米の臨床心理学,健康心理学の分野で注目されている.レジリエンスとの関連性として食生活状況からの検討例はほとんどなく,心身共に健康的な生活を営む上で両者の関連を探究することは意義があると考えられる.そこで本研究では,生活が不規則になり始めやすい中学生を対象にレジリエンスの構成要素を解析すると共に抽出された因子と食生活状況との関係を性差,学年差を含めて検討し,レジリエンスの高低と食生活との関連を明らかにすることを目的とした.<BR>方法 2007年5月に広島県内のT中学校において,全校生徒を対象に実施された食生活状況とレジリエンス測定を含むアンケート調査の結果を使用した.欠損値のあるデータは全て削除し,男子生徒332名,女子生徒302名のデータを解析に用いた.調査はレジリエンス,生活リズム,不定愁訴,食生活,食意識に関する内容から構成され,レジリエンスは5段階,その他の設問は4段階を中心とする選択肢の中から回答してもらった.レジリエンスについては因子分析を行い,抽出因子と食生活状況との関連性をクロス集計,分散分析等で解析した.<BR>結果 レジリエンスは4因子に分かれ,自己志向性,関係志向性,楽観性,自己肯定性因子と命名した.関係志向性得点は女子の方が男子よりも,自己肯定性得点は男子が女子よりも高かった.レジリエンス各因子の高低群と食生活状況との関連については,夕食時刻を除き,調査項目の全てあるいはいずれかと高低群の差が認められた.設問項目の両極の選択肢中,レジリエンスの得点差が大である生活状況が7項目存在した.学年が上がるにつれて,朝食欠食,一人での朝食摂取の割合や不定愁訴を訴える割合が増加していた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558021376
  • NII論文ID
    130006956412
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.356.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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