高等学校における住教育について
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- 一棟 宏子
- 大阪樟蔭女大
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- 中野 迪代
- 岐阜女大
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- 若井 希水子
- 大阪樟蔭女大
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- Pendergast Donna
- University Of Queensland
書誌事項
- タイトル別名
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- Housing Education in Senior High School
- In Case of the Queensland State in Australia
- オーストラリア・クイーズランド州の場合
抄録
目的:筆者らがこれまで行ってきた調査結果によると、オーストラリアでは全般に住宅のメンテナンスを家族で主体的に行う世帯が多く、住宅を長持ちさせ資産を守るという生活意識が高い。本研究はオーストラリア住民の日常の生活行動と意識がどのような社会的背景で醸成されるのかを、学校教育との関連で明らかにすることを目的としている。<br>方法:2003年9月、オーストラリア・クイーンズランド州で高校の教育システムと実際の教育プログラムを把握するため、Holland Park高校・Dakabin State高校訪問を含め、住教育に関わる教師5人を対象に調査を実施した。調査内容は各学年の学習分野・時間数、家庭科担当教員の構成・担当分野・大学の専攻分野、教員の目標・重視事項、住教育についての内容と意見など28項目であった。<br>結果:(1)高校の家庭科分野(食物・居住環境・被服)の時間配分と教育内容は多様であるが、その枠組は州教育局の指導要領に準拠している。(2)居住環境分野の範囲は幅広い。必修のほか、個人・家族と社会問題との関連、高度産業社会における人権擁護、住居分野、消費者問題、児童分野、その他学校独自分野(家族の変化、インテリアデザイン、ジェンダー問題など)と6つの選択領域で構成される。(3)教師が重視しているのは食物分野である。住分野は教師の個人的関心の強弱により取り組み方が異なる。大学の教員養成課程で住教育を担う教科が少ないことも、教員の住教育への関心や重要性認識に影響しているといえる。(4)全体に中等教育の住教育は充実しているとはいいがたい。DIYや生活意識は伝統的な生活習慣によるところも少なくないが、住宅の実際的・日常的問題解決を支援する社会的なしくみの整備が生活行動や意識を左右していると考えられる。
収録刊行物
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- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
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一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 56 (0), 230-230, 2004
一般社団法人 日本家政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205558060672
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- NII論文ID
- 130006956447
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可