非クロム豚革を用いた靴の冬季における快適性

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  • Comfort in wearing of shoes made of chrome-free pig leather in winter

抄録

目的 環境と人に優しい革製品が求められている。前報1)では豚皮を、アルミニウム系鞣剤・合成タンニンにより靴用甲革(スエード)と裏革を調製した。これらを用いて製作した婦人靴について、夏季環境下における着用試験を行いその快適性について評価した。本報では、冬季(8℃、60%RH)の環境下において着用試験を行った結果を報告する。<BR> 方法 靴の甲材・裏材ともに非クロム革あるいはクロム革を使用した2種類の靴を用いた。次に、裏材の影響を明らかにするために、甲材は非クロム革とし、裏材を非クロム革、クロム革、合成皮革を使用した3種類の靴を用いた。被験者は20歳前後の成人女子6名とした。被験者の生理状態として皮膚温、舌下温、心拍数および靴と靴下に含まれる汗の量を測定した。また、靴内気候、熱流量の測定及び着用感の評価、サーモグラムを撮影した。<BR> 結果(1)非クロム靴とクロム靴を比較すると、靴内湿度はほとんど差が認められなかったが、非クロム靴の熱流量はやや高かった。着用感の評価では、非クロム靴の方が、足部の温冷感、湿潤感、発汗状態の値がやや高く、着用時の表面温度もやや高い傾向が認められた。(2)3種類の裏材を比較すると、非クロム革を用いた靴は、着用直後の靴内温度と足部及び体の温冷感が、クロム革と合成皮革を用いた靴よりもやや高く、暖かい傾向が認められた。運動後の靴内温度・湿度は、非クロム革とクロム革の差はほとんど認められなかった。しかし、合成皮革靴の靴内温度・湿度は著しく上昇し、発汗状態、湿潤感、不快感は非クロム革、クロム革に比べて劣っていた。<BR>1) 角田由美子,山口亜沙美,吉村圭司ら:第57回日本家政学会大会研究発表要旨集,p.90(2005)

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558215040
  • NII論文ID
    130006956646
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.185.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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