リヨセルとセルロース系再生繊維の鑑別

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  • Identification of lyocell fibers and fabrics in regenerated cellulosic one's.

抄録

1. 目的 現在、リヨセル繊維及び布を他のセルロース系再生繊維から鑑別するには、大変手間がかかる。本研究では簡便で短時間で出来る鑑別法を提案する。2. 方法 原綿、紡績糸、白布、染色布として、フィブリル化しないリヨセル(A200)とフィブリル化する(レギュラー)のもの、ポリノジック糸(綿スフ織物検査協会・色染社他)、レーヨン、キュプラ、ポリノジック白布他23種のセルロース系再生繊維を、市場及び関係先から集めた(綿スフ織物検査協会・色染社・関西衣研究所・紅三・五十嵐)。比較のため綿糸も対象とした。鑑別用染料として、カヤステインQ、ボーケンステイン、カチオン染料(C.I.Basic Blue 65)を試みた他、塩化第二鉄、硝酸銅、硝酸銀などによる染色、着色を試みた。またDBSを助剤とした。色布の脱色にはハイター(花王)とNa2S2O3を使用した。種々の条件で染色した試料について、目視での鑑別とK/Sの測定値との対応を見た。3. 結果 紡績糸は、室温で0.1%又は1%のDBS溶液中に24h浸漬した後、カヤステインQで50℃、5分染色することにより、青く染まったリヨセル糸と、紫色に染まった再生繊維を目視で識別できた。また白布では、エマールで処理しただけの布について、カヤステインQで濃い赤に染まったリヨセル布が、他のよりうすく染まった布から目視で識別できた。色布は完全に脱色することが困難なため、カヤステインQによる鑑別は出来なかったが、還元脱色した布を1.7%硝酸銀溶液で、60℃、24h処理することにより、リヨセルの脱色布が濃い茶色に染色され、比較的色の薄いレーヨン布と目視で識別できた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558405760
  • NII論文ID
    130006956818
  • DOI
    10.11428/kasei.56.0.60.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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