The gel formation mechanism of Janzjuannai, a desert of China

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  • 中国のデザート,薑汁撞奶のゲル形成機構について

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目的 ショウガ搾汁に加熱した牛乳を添加すると,牛乳がゲル化し,中国のデザート,薑汁撞奶(ジャンズジュアンナイ)が得られる。このゲル化機構には,ショウガ搾汁中の酵素が働いていると考えられているが,そのゲル化機構については不明な点が多い。そこで,関与するプロテアーゼの種類を調べ,そのゲル化機構を推察した。<BR>方法および結果 ショウガ(平成17年度産,土佐一)搾汁15mlに,70℃に温めた牛乳(明治乳業)を150ml加え薑汁撞奶を調製したところ,破断強度2.25±0.25Paを示した。このゲル化は10mMのヨードアセトアミド(IAA)の存在により著しく阻害されたが,100mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の添加により強化され,それぞれ0.22±0.20,5.83±1.04Paの破断強度を示した。また,SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法観察では,薑汁撞奶でκ-カゼインが分解されていたが,IAA添加により抑制され,EDTAの存在によりカゼインの全体的な低分子化が認められた。これらのことは,ショウガ搾汁中のシステインプロテアーゼが,ゲル化に関与していることを示していた。さらに,糖染色を用いて糖鎖の動向を調べたところ,ゲル化した試料では糖鎖をもつバンドの存在は認められなかった。以上のことは,チーズのゲル化機構と同じく,薑汁撞奶でもプロテアーゼによりκ-カゼインから糖鎖が失われることで,疎水結合を中心とした結合によりゲル化が生じている可能性を示唆している。一方,ビタミンCもこのゲル化を促進したが,その機構はEDTAと異なっていた。なお,本研究の一部は,2006年度同志社女子大学研究助成金により行われた。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558462976
  • NII Article ID
    130006956881
  • DOI
    10.11428/kasei.59.0.68.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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