干し椎茸の戻し条件と調理性の比較

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of Conditions for Recovery of Shiitake by Water soak and their Cooking Property

抄録

【目的】干し椎茸を戻す際の浸漬液温度ならびに浸漬時間は旨味成分の溶出に大きく影響する。また一般的に“水に砂糖添加”液に浸漬すると良いといわれている。そこで各種浸漬条件を変えて戻した椎茸の吸水量、破断強度及び官能評価、ならびに戻し液中に溶出したアミノ酸及びグアニル酸の定量を行い、椎茸及びだし汁として好ましい水戻し条件を検討した。<BR> 【実験方法】浸漬液は蒸留水と1%砂糖溶液の2種類とし、浸漬温度を5℃、25℃及び40℃に設定、浸漬時間を0.5、1、3及び5時間と変えて浸漬した椎茸とその戻し液を得た。それぞれの浸漬条件で戻した椎茸のレオナーによる破断強度試験及び吸水量を測定した。戻し液中の各種アミノ酸及びグアニル酸量の測定(HPLC法)には、上記戻し液に加えて電子レンジ2分加熱液も試料とした。また椎茸の破断試験結果から、同程度の硬さの蒸留水(5℃)3時間浸漬、1%砂糖水(5℃)3時間浸漬、蒸留水(40℃)1時間浸漬、1%砂糖水(40℃)1時間浸漬試料について官能検査(7段階評価方法、識別・嗜好試験)を行い、最適の水戻し条件を判定した。<BR> 【結果】戻し液中のアミノ酸及びグアニル酸を定量した結果、グルタミン酸の溶出量は蒸留水(5℃)3時間及び5時間浸漬液が特に多かった。グアニル酸の溶出量が特に多かったのは蒸留水(40℃)1時間浸漬液、次いで1%砂糖水(40℃)1時間浸漬液であった。戻し椎茸の官能評価結果から、食べて好ましい水戻し条件としては、1%砂糖水(5℃)3時間浸漬が噛み応えやおいしさの点で最も望ましいと考えられた。<BR>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558478592
  • NII論文ID
    130006956903
  • DOI
    10.11428/kasei.59.0.77.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ