未利用部位の鮭の頭を使用したゲル状嚥下食品“煮こごり”のラジカル捕捉活性能

書誌事項

タイトル別名
  • Radical scavenging activity of the gelatin gel food 'Nikogori' made from underutilized salmon head

説明

【目的】我々はこれまでに嚥下食への応用を踏まえたゲル状嚥下食品“煮こごり”の調理特性について検討してきた。今回は、通常では廃棄される鮭の頭の有効利用を目的に、鮭の頭を材料として調製した“煮こごり”について、高齢者用食品に適する硬さが得られるゲル状嚥下食品としての調製条件を確立し、化学発光法を用いてペルオキシラジカル捕捉活性能の測定を行った。<BR> 【方法】鮭の頭を角切りにし、60%の水を加え、蒸発水分を補いながら一定時間(10、20、30、60分)加熱後、ろ過して試料を調製した(対照水煮試料)。さらに醤油、砂糖で味付けした調味料添加試料も同様に調製し、これらのペルオキシラジカル捕捉活性能を測定した。抗酸化能の評価として、発生した上記ラジカルの半分量を除去する試料濃度と定義されたIC50値を用いた。さらに、これら試料を冷蔵庫(5℃)で24時間保蔵してゲル化させた試料について本学調理科学研究室員20名をパネラーとして官能評価を行った。硬さ、べたつき感、飲み込みやすさ、ざらつき、におい(魚臭)の項目についてカテゴリー尺度法による7段階評価を行い、さらに、嗜好性を順位法により検討し、総合的に評価した。<BR> 【結果】鮭の頭を材料として調製した“煮こごり”は、IC50値が1.34%のペルオキシラジカル捕捉活性能を有することが明らかとなった。これは可食部の魚の切り身部分のIC50値(ブリ:0.66%、マコガレイ:0.53%)の約1/2のペルオキシラジカル捕捉活性能を有し、醤油を添加することによりIC50値は0.13%に増強された。官能検査においても醤油単独添加ならびに醤油+砂糖添加試料は魚臭をマスキングし、総合的に好まれる評価が得られた。<BR>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558516352
  • NII論文ID
    130006956968
  • DOI
    10.11428/kasei.59.0.315.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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