セミフレアスカートの着用快適性と動的形状に及ぼす裏地の影響

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タイトル別名
  • Effects of the Lining on Comfort and Configuration of Semi-Flared Skirt

抄録

目的 春夏向けのシフォン生地のスカートには、裏地が必要不可欠である。本研究では、繊維素材(キュプラとポリエステル)および織組織(タフタとサテン)による裏地の違いが、セミフレアスカートの着用快適性と動的形状に与える影響を明らかにし、スカートに及ぼす裏地の効果を得ることを目的とした。<BR> 方法 異なる裏地を用いた4種類のセミフレアスカートを対象に3つの試験を行った。最初に19名を対象にスカートの動作性及び肌触りについて着用評価を行った。次に、被験者1名がルームランナー上を歩行し、その間のスカートの揺動状態を正面と斜め右側面の2方向からビデオ撮影した。画像をもとに動作解析を行い、脚の動きに対するスカートの追随性を比較した。さらに、下半身用ボディにスカートを着衣させた状態で反転運動を行った。表地と裏地の裾の動きを動作解析し、表地-裏地の関係性について考察した。<BR> 結果 (1)着用評価では、「軽い」を除く全ての項目でポリエステルよりキュプラ裏地の評価が高く、織組織ではサテンよりタフタの方で評価が高かった。(2)着用歩行試験において、スカート前中心線付近の移動量は、左右及び奥行き方向においてキュプラの方が大きく、スカートがよく動いていた。上下方向ではタフタの方が移動量は大きく軽やかに跳ね上がっていた。また、キュプラの方がより速く脚の動きに追随しており、このことが着用評価の「滑りの良さ」と「歩きやすさ」に繋がると考えられる。(3)反転運動において、動作時の表地と裏地のずれはキュプラの方が小さかった。ずれ量が小さいとき表地と裏地がより一緒に動くため、歩行時に脚への負担が少なく、脚へまとわりつきにくくなると考察される。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558602240
  • NII論文ID
    130006957053
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.336.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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