振り返りを重視した高等学校栄養教育プログラムの実施とプロセス評価

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タイトル別名
  • Practice and evaluation of nutrition education program at high school : focusing on abilities of self-evaluation and self-reflection

抄録

目的 われわれは,高校生に「食生活を管理する力」を身につけさせるために,授業で実践可能な栄養教育プログラムについて検討してきた。これ迄の調査と実践より,学習者の野菜の摂取量は少なく,菓子が多いこと,適正摂取量を理解していないこと,また,振り返りの方法に改善の余地があることなどを明らかにしてきた。そこで今回は,振り返りを重視したプログラムを実施し,そのプロセス評価を行った。<BR> 方法 1. プログラムの概要 2006年1〜2月に兵庫県内の高校2年生 (男43名,女28名)を対象に,以下の内容で4回実施した。第1回:「食事バランスガイド」で食事量・バランスの問題点に気づく。第2〜3回:調理を通して野菜の適正摂取量を把握する。第4回:「弁当箱学習法」で食事を振り返り,改善方法を考える。2. 評価方法 学習過程のワークシートの記述内容と学習前後の食物摂取状況調査等の分析を合わせて学習効果を調べた。<BR>結果 「振り返り」に関する記述内容を分析したところ,学習のねらいと自分の生活を照らし合わせた自己評価に加えて,生活への「行動意欲」を書いた者は1回目で86%,4回目で46%であった。一方,「行動意欲」に加えて行動変容に向けての「明確な手立て」まで記述していた者は,1回目では3%であったが,4回目には50%に増加していた。学習後には,野菜の摂取量は増加する傾向にあり,特に,女子の緑黄色野菜が有意に増加していた。また,間食のエネルギーは有意に減少していた。以上より,振り返りを重視することは,食生活の改善に向けての手立てを明確にする上で有効であり,望ましい食行動への変容の可能性があることが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558616576
  • NII論文ID
    130006957066
  • DOI
    10.11428/kasei.59.0.88.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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