畳空間にかかわる住様式と住意識の検討

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書誌事項

タイトル別名
  • An investigation of dwelling style and life style related toTatami rooms
  • -Case of detached house in Tokyo metropolitan area-Part 4: The trend of Tatami rooms viewed from residents' consciousness
  • -首都圏の注文戸建住宅における-(第4報 居住者意識からみた畳空間の動向)

抄録

【目的】本研究は,継続研究1)として,これまで関西圏,名古屋圏,福岡圏について報告してきた.さらに首都圏については,住宅計画時における居住者の畳空間に対する住要求について報告した.本報では,畳空間に対する要求や評価について,首都圏の居住者意識の特徴と動向を,属性や成育住宅その他の要素との関連を明らかにし,今後の畳空間の発展方向を検討するとともに,畳空間のデザイン計画に資する基礎的資料を得ることを目的とする。【方法】第1報と同じ,個人票の有効回収数は651.【結果】(1)畳に愛着のある者が6割を超えるが,愛着のない者は1.5割存在する.(2)希望畳室数は,1室が6.5割を占め,他の地域と比較して多く,2室以上は2割程度である.一方,畳室はなくてもよいとする者が1割を超え,若年層ではさらに顕著である.畳に愛着がない者ほどその意識は強く,半数以上が畳室は不要と考え,畳室に対するこだわりのなさが把握できる.愛着のある者でも,畳室は1室でよく,2室以上を希望する割合は低い.(3)畳に対する肯定的評価として,いぐさの感触や新畳の香りのよさなど,畳を素材として評価する割合が高い.否定的評価において,虫がわきやすい,湿気やすいといった畳の維持管理にかかわる内容が多い.また,畳に座ることの窮屈さや非活動性をあげる割合が他の地域と比較すると高い.これは,洋室が多い住宅で育った者が3割を占め,成育住宅の居間が洋室・椅子座であった者が他の地域より多く,畳に慣れていないことが指摘できる.(4)畳空間のデザイン計画については,若・中年層では「洋室に続く畳室」「新しいデザインや素材をとりいれる」などが要求として存在し,今後の新しい畳空間デザインのあり方が示唆される.1)今井範子他:畳空間にかかわる住様式と住意識の検討-首都圏の注文戸建住宅における-(第1報 住宅計画時における畳空間に対する住要求と新しい試み)日本家政学会第52回大会 研究発表要旨集 pp223他※本研究は,文部省科学研究費助成金(基盤研究C:研究代表者 今井範子)によっている.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558831232
  • NII論文ID
    130006957213
  • DOI
    10.11428/kasei.55.0.228.1
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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