環縫い系ミシン縫い目の強さ

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タイトル別名
  • Strength of chain stitch seams

抄録

目的  縫い目強さは、縫い目の基本的性能として重要な要素である。縫い目強さに関しては、本縫いミシン縫い目においていくらかの研究例はあるものの、環縫い系ミシンについては殆ど報告されていない。本研究では、ステッチ形式101、401、504の環縫い系ミシンによる縫い目の強さについて検討を行うことにした。方法  上記の三種のステッチ形式を構成する単環縫い(ペガサス:DH-10)、二重環縫い(ペガサス:DM-20)、縁かがり縫い(ブラザー:EF4-B511)の各ミシンを用いて縫製試料を作製し、50mm幅の縫い目の強さを引張り試験機(東洋精機ストログラフ)によって測定した。結果  縫い糸が破断する場合の縫い目強さには、一般に縫い糸の強さやそのバラツキ具合、そしてステッチ密度などが影響することが知られている1)。これらの因子の影響については筆者が本縫いミシン縫い目で考察した「最小強度分布」の考え方1)が適用可能と思われる。すなわち縫い目に均等に力が作用する場合には、最も強さが小さい部分で破壊すると考えられるため、この最小強度が縫い目に中にいかに存在するかということが縫い目全体の強さと関わることになる。本実験で対象にした環縫い系の三種類のステッチ構造を検討してみると、縫い糸が破断するという前提のもとでは、いずれの場合も縫い糸のループ強さ(引掛け強さ)が大きく関与していると判断できる。これをもとに最小強度理論を用いて縫い目強さの推定値を算出したところ、ある程度、これらの環縫い系ミシン縫い目の強さを説明できることがわかった。[文献]1)島崎恒藏他:繊維学会誌、Vol.47、No.7、365_から_372(1991)

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558924416
  • NII論文ID
    130006957317
  • DOI
    10.11428/kasei.58.0.212.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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