産地の異なるアザキ大根の機能性アミノ酸

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タイトル別名
  • Functional amino acids in azaki daikon produced at difference district

抄録

(目的)会津地方の伝統野菜の一つであるアザキ大根は、小規模生産だが「高遠そぱ」の薬味に利用され、会津の食文化として伝承されている。先に、演者らは現在多く栽培・消費されている青首大根に比べ、アザキ大根は遊離アミノ酸総量が多く、近年機能性が期待されているアルギニン(Arg)、グルタミン(Gln)、y・アミノ酪酸(GABA)などのアミノ酸が特異的に多い事を明らかにした。本研究は、アザキ大根が会津地方の各地で栽培されていることから、産地の異なるアザキ大根の機能性アミノ酸について検討した。<BR>(方法)実験には、会津の3地方で栽培されたアザキ大根と、比較のため郡山地域で生産された辛味大根と青首大根を供した。小型の大根以外は、根元部と先端部に分割して粉砕機で粉砕後、分析まで_-_30℃で保存した。遊離アミノ酸は、粉砕したサンプルの20倍量の75%エチルアルコールを加え、80℃で還流抽出を行い2回洗浄抽出した。アミノ酸の分析は、日立L-8800形高速アミノ酸自動分析計を用い、生体液分析法で行った。<BR>(結果)遊離アミノ酸総量(生鮮品100g当り)は、青首大根117mgに対してアザキ大根855_から_1018mg、辛味大根492mgであった。青首大根の主なアミノ酸はGlnとGABAであるのに対して、アザキ大根と辛味大根はさらにArgの多い事が特徴であった。産地の違いによるアザキ大根の遊離アミノ酸、特に機能性が指摘されているArg、Gln、GABAの含量に大きな違いは見られなかった。アザキ大根を凍結乾燥した粉末大根(水分6.2%)1g当りの遊離アミノ酸総量は65.5mg、Argは6.7mg、Glnは34.5mg、GABAは6.1mgであった。<BR>以上の結果、アザキ大根の機能性アミノ酸であるArg、Gln、GABA含量は産地の違いによる差異は少なく、健康食品としての価値が商い食材である事が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558969856
  • NII論文ID
    130006957350
  • DOI
    10.11428/kasei.58.0.166.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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