二倍体及び四倍体ショウガの抽出エキス及び化合物の抗菌活性

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タイトル別名
  • Antibacterial activities of extracts and constituents in the rhizomes of diploid and tetraploid gingers

抄録

目的 食用及び薬用として期待される四倍体ショウガ(2n=44)は,二倍体(2n=22)に比べ大型化することが知られている.また,ショウガの辛味成分は,gingerol 類,shogaol 類等であり,抗酸化,抗腫瘍,抗アレルギー等の数多くの効果が報告されているが,四倍体ショウガの生物活性に関する報告はほとんどない.そこで本研究では,二倍体及び四倍体ショウガの水性エタノール抽出エキス及び辛味成分の抗菌活性の比較・検討を行い,四倍体ショウガの食品としての有用特性を明らかにすることを目的とした.<br>方法 ショウガはすべて高知県産の‘黄金の里’を用いた.Adaniya, Okadaらの方法により,四倍体の作出及び確認を行った.四倍体ショウガ根茎中の辛味成分は,精製・単離後,各種スペクトルデータによって同定した.さらに,各種ショウガの抽出エキス及び辛味成分について,6種類のグラム陰性菌及び3種類のグラム陽性菌に対する抗菌テストを行った.<br>結果 二倍体及び四倍体ショウガの抽出エキスは,グラム陽性菌に対して同程度の抗菌活性が認められた.一方,四倍体ショウガから単離した[6]-gingerol,[6]-dehydroparadol及び関連化合物のzingerone中,[6]-gingerolが比較的抗菌性を有していた.[6]-Gingerolは,両ショウガの水性エタノール抽出エキス中に多く含まれており,抽出エキスの抗菌性は[6]-gingerolに起因するものと考えられた.以上の結果から,四倍体ショウガの抗菌活性は二倍体ショウガと同程度であり,その食品としての有効性は変わらないと考えられた.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559342976
  • NII論文ID
    130006957639
  • DOI
    10.11428/kasei.57.0.73.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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