73歳 男性の第12胸椎に発生したperipheral PNETの1例

説明

【はじめに】組織学的に未分化な小円形細胞からなるperipheral primitive nueroectodermal tumor (以下 PNETと略す)は極めて予後不良な腫瘍である。我々は胸椎に発生したPNETの1例を経験したので報告する。【症例】73歳,男性。主訴は両下肢痛としびれ。神経学的所見では右下肢優位の筋力低下,痛覚低下を認めた。画像所見上,Th12からL1の脊柱管内,硬膜外にダンベル型腫瘍を認め,脊髄は圧排されていた。Th12の骨形成的椎弓切除術,腫瘍摘出術を施行した。病理組織学的所見では,小,中等大の未分化な円形細胞が充実性に増生し,免疫組織化学的染色でCD99が陽性であったことから,PNETと診断した。術後,症状は改善した。【考察】PNETは未分化な小円形細胞より成る神経系腫瘍で,かつ神経系や上皮性あるいは間葉系への多分化能を有し,既存の疾患には分類不可能な腫瘍で,中枢神経のみならず末梢神経系の腫瘍も含む包括的な概念とされている。脊柱管内の発生例は稀である。確定診断は病理組織学的に行われ,免疫組織染色でCD99抗体が陽性になる。本症例も未分化細胞よりなり,免疫組織化学でCD99 が陽性であったことから,PNETと考えられた。一般に集学的治療が行われるが,再発,転移が生じ易く本症の予後は不良である。【結語】胸椎の脊柱管内に発生した極めて稀なPNET の1例を手術的に治療したので文献的考察を加えて報告した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559594752
  • NII論文ID
    130006957733
  • DOI
    10.11359/cjaost.105.0.310.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ