頚椎棘突起縦割法における棘突起スペーサーへの骨反応について

説明

【目的】我々は頚椎棘突起縦割法においてハイドロキシアパタイト製棘突起スペーサーを使用しているがスペーサーへの骨反応について検討したので報告する。【方法】症例は29例で頚椎症性脊髄症(以下CSM)21例、頚椎後縦靭帯骨化症(以下OPLL)8例で、手術時年齢は34から83歳(平均65.3歳)、経過観察期間は5ヵ月から5年5ヵ月(平均2年5ヵ月)であった。スペーサーへの骨反応の分類は土井田らの分類を使用した。すなわち、type1はスペーサーと棘突起の間に間隙がなく、骨新生あり。type2は間隙がなく、骨新生なし。type3は 間隙があるが、骨新生あり。type4は 間隙があり、骨新生なしである。各棘突起とも左右別に判定した。【結果】type1とtype3をあわせた高位別の骨新生率はC3 62%, C4 57%, C5 64%, C6 50%, C7 57%であった。疾患別骨新生率はCSM 50%, OPLL 80%でOPLLが高かった。複数回CT撮影例18例86椎弓172ヵ所中10例23ヵ所(13%)に初回調査時になかった骨新生を最終調査時にみとめた。スペーサーの厚さ別骨新生率は厚さ8mmが58.8%、厚さ5mmが57.5%で差はなかった。問題となるtype4 63ヵ所中拡大椎弓の戻りは16ヵ所に認めたががいずれも脊髄への圧迫はなかった。【考察】スペーサーによる拡大椎弓の維持という手術目的は達したが、血行の良い棘突起基部への設置や拡大椎弓が不安定にならない側溝の作製が必要と考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559613056
  • NII論文ID
    130006957758
  • DOI
    10.11359/cjaost.105.0.355.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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