思春期以後に進行した高度内反尖足変形に対しても拮抗筋腱移行術は有用である

説明

思春期以後に内反尖足拘縮が悪化した3例4足に変形矯正と足関節背屈運動を目的に後脛骨筋腱または長母趾長趾屈筋腱の拮抗筋腱移行術を行った。術後の足関節機能、移行筋腱の有用性を評価した。   【症例1】 軽度の脳性麻痺に伴う右内反尖足変形例で思春期以後に徐々に変形が進行し、15歳時に30度の尖足位で歩行困難となり、アキレス腱延長、長母趾屈筋健の前方移行術、ギプス固定を行った。術前前脛骨筋筋力 MMT1であったが、術後尖足消失し足関節背屈運動が可能となった。 【症例2】 麻痺性の右内反尖足変形が、成人後徐々に悪化し35度の尖足位となり、30歳時にアキレス腱延長 長母趾屈筋健と後脛骨筋腱の前方移行術をイリザロフ創外固定器を併用して行った。術前前脛骨筋MMT1であったが、術後移行腱による足関節自動背屈運動が可能となった。 【症例3】 二分脊椎に伴う両足尖足変形症例で9歳頃から変形が強くなり、右30度、左50度の尖足位となり歩行困難となった。18歳時に右はアキレス腱延長に後脛骨筋腱の前方移行術とイリザロフ創外固定器を用いた外固定を行い、左はアキレス腱延長に長母趾屈筋健 後脛骨筋腱の前方移行術と骨切り後イリザロフ創外固定による変形矯正を行った。術後変形は矯正され足関節背屈運動も可能となった。 【まとめ】今回の結果から思春期以後に内反尖足拘縮が高度に悪化した症例でも、術後移行筋腱の機能転換は良好で足関節背屈運動可能となり拮抗筋腱は有効に機能していた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559667968
  • NII論文ID
    130006957839
  • DOI
    10.11359/cjaost.105.0.39.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ