官能評価による味の抑制効果の検証

書誌事項

タイトル別名
  • Examining the effect of taste reduction through sensory evaluation

説明

目的 食品呈味について、酸味の強い果汁に甘味を加えると、酸味が抑制されるといわれている。本研究では、酸味が甘味を添加することによって抑制される効果を検証することを目的とした。方法 健康な女子学生27名を評価者として、果実類ジュース8種(いちご、温州みかん、グレープフルーツ生、グレープフルーツ濃縮還元ジュース、パインアップル生、ぶどう濃縮還元ジュース、りんご生、レモン果汁)と甘味添加果実類ジュースを試料として官能評価を行った。両極7点評点法を用いて呈味強度等を調べ、対応のあるサンプルのT検定を行った(SPSS)。試料のpH(新電元工業pHメーター)と糖度(ATAGO糖度計)を測定した。結果 果実類ジュースと甘味添加果実類ジュースに対する官能評価では、8種のうち、いずれも、甘味無添加ジュースに比べ、甘味添加ジュースは、酸味強度の低下、甘味強度の上昇、おいしさ評価の上昇がみられた。グレープフルーツ生では、酸味強度が有意に低下した(p<0.05)。いちごおよびぶどう濃縮還元ジュースでは、おいしさ評価が有意に上昇した(p<0.01)。8種の果実類ジュースおよび甘味添加果実類ジュースでは、pH2.6~4.9、糖度7.1~ 14.0%であった。糖度では、甘味添加試料が高かったが、pHでは、両者の間に変化は認められなかった。果実類ジュースと甘味添加果実類ジュースでは、酸味成分は変化しないと考えられるが、酸味強度に差異がみられ、甘味添加による酸味抑制効果を官能評価の手法よって確認できた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559749760
  • NII論文ID
    130005470428
  • DOI
    10.11428/kasei.66.0_45
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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