若年女性の月経痛および便通に影響を及ぼす食生活因子の検討

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タイトル別名
  • Dietary factors that adversely affect menstrual and bowel disorders in young women

説明

目的 子宮と直腸は骨盤内の主要臓器であり、月経周期に伴いホルモンおよび自律神経の影響下に、それぞれ月経痛、便秘を呈することが知られている。我々はこれまで将来の妊孕性の確保という観点から、若年女性に対して食生活に関するアンケート調査や食事調査、さらに雌性ラットを用いた検証実験を行い、朝食欠食が月経痛の程度や便通の状態を悪化させ、現在のみならず将来のQOLに悪影響を与える可能性を報告してきた。今回は朝食欠食とともに一日の食事の内容が及ぼす影響を検討するためにアンケートによる実態調査を実施した。<br>方法 2011年10月に18−20歳の女子大学生317名を対象に同意を得た後にアンケート調査を行い、欠食の有無、食事内容(各食品群毎の摂取頻度)、月経痛の程度、便通の程度について292名から有効回答を得た。<br>結果 本調査においても朝食欠食群は有意に月経痛の程度が強く、また便通の状態が悪いことが示された。さらに朝昼夕の三食とも摂取している154人を対象に食事内容が及ぼす影響について検討した結果、いずれの食品群においても摂取頻度と月経痛の程度との間に有意な差は得られなかった。一方で緑黄色野菜の摂取頻度が低いと有意に便通の状態が悪いことが認められた。<br>考察 以上の知見から、便通の状態を左右する要因としては、朝食欠食に起因する食事リズムの乱れとともに特定の食品の摂取頻度も関与していると考えられるが、月経痛については、食事の内容より朝食を欠食することで生じる摂食リズムの乱れが強く影響を及ぼす可能性が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559771520
  • NII論文ID
    130005470272
  • DOI
    10.11428/kasei.64.0_91
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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