ヒーターベスト着用による加温が人体生理反応に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Warming by Heater Vest on Physiological Response of Human

説明

【目的】寒冷環境下における身体作業、災害時における防寒対策、また基礎代謝量が低い高齢者にとって、衣服による加温は非常に重要な役割をもっている。近年、積極保温機能をもつ衣服が市場に出回っているが、その生理的影響については明らかにされていない。本研究では、基礎研究として市販のヒーターベストを用いて局所加温が人体生理に及ぼす影響を明らかにした。 <br> 【方法】健康な女性10名を対象に18℃,65%RHの人工気候室で実験を行った。被験者は、1.08cloの着衣で、10分間ヒーターOFF、その後50分間OFFあるいはONで椅座安静状態を維持した。実験期間は、2014年7月下旬~10月下旬(期間a)および2014年11月中旬~12月上旬(期間b)である。測定項目を皮膚温,口腔温,衣服内温度,皮膚血流量,心電図および主観評価とした。 <br>【結果】期間a、bともに、皮膚温は、体幹部で上昇傾向がみられ、脚部末梢になるほど低下した。特に、下腿ではOFF時に比べてON時で皮膚温が低く、足先皮膚血流量も減少傾向を示した。期間aでは、ON時の心拍数がやや減少し、HFの上昇(副交感神経の優位性)がみられた。しかし、期間bではONとOFFの明瞭な差異はみられないなど実験期間による相違がみられた。温熱感評価では、両期間ともにON時でも脚部末梢ほど時間とともに寒いと評価され、ヒーターベストによる加温が脚部にまで及んでいないことがわかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559818240
  • NII論文ID
    130005484199
  • DOI
    10.11428/kasei.67.0_138
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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