タピオカ澱粉配合麺の調製時におけるむらし操作導入の効果
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of steaming time preparing noodles supplemented with tapioca starch
説明
目的 近年,うどんの食感改良や調理性改善の目的で,麺に様々な澱粉が配合されている.特に,キャッサバを原料とするタピオカ澱粉を配合した場合の,滑らかで弾力ある食感が好まれ,使用頻度が高い.<br>現在,資源の有効活用の観点から省エネルギー対策が重要課題となっている.タピオカ澱粉配合麺は,好ましい食感を示す一方で,吸水膨潤速度が速く,湯のびしやすい欠点がある.本研究ではその特徴に着目し,ゆで調理時間の短縮により,省エネルギー対策に活用できるのではないかと考えた.<br>そこで,タピオカ澱粉配合麺の調製時に,消火後の余熱を利用したむらし操作を導入した場合の,省エネルギー効果と麺の嗜好性,澱粉の糊化について明らかにすることを目的とした.<br>方法 乾麺には,中力小麦粉100%の小麦粉麺と,中力小麦粉94%とタピオカ澱粉6%を配合したタピオカ澱粉配合麺を用いた.試料は,各乾麺を10分間ゆでたものを対照に,各乾麺を3分間ゆでた後,むらし操作を3,6,8,10分間導入したものとした.<br>試料の貫入試験,示差走査熱量測定による糊化温度および糊化度の算出,官能評価,試料調製中の水温変化の測定,原材料の粒子径分布測定および原材料と乾麺の走査型電子顕微鏡による構造観察を行った.<br>結果 ゆで時間を10分間から3分間に短縮し,むらし操作を導入することで,消費電力量を32%削減でき,嗜好性が低下することもなかった.本研究のタピオカ澱粉6%の配合では,配合よりもむらし時間の差の方が嗜好性に影響したが,タピオカ澱粉配合麺は,小麦粉麺と比較し,澱粉粒子間に広い隙間を持つ疎な乾麺構造のため,次第に吸水膨潤・糊化が進みやすく,むらし時間が長くなるほどやわらかくなることが示唆された.
収録刊行物
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- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
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一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 64 (0), 152-, 2012
一般社団法人 日本家政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205559820288
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- NII論文ID
- 130005470009
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可