「環境寺子屋」による家庭科分野における自然科学教育の実践的な取り組み

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書誌事項

タイトル別名
  • A practical approach to education of natural sciences on home economics by Kankyo-Terakoya

抄録

目的<br> 子供たちの自然科学離れが、大きな社会問題となっている。島大教育学部の「環境寺子屋」なる自然科学好きな教員の養成を目指した体験学修プログラムが、文科省の教育GPに採択され(平成20年)、現在も大学生を対象とした組織的な教育活動を継続して実施している。<br>方法<br> 自然科学を3領域に分け、3年間に授業外で約170時間を実施している。家政分野では、「被服学」と「食物学」が理科と連携して本プログラムを実施し、自然科学に関する基礎知識の定着を重視している。教材開発の手法を中心に学ぶ「体験型」の学修を土台に、科学実験講座等を通して指導力を伸ばす「企画・指導型」へと段階的に進む。反復履修し、学生達の教材理解を図りつつ、指導力養成をサポートしている。<br>体験学修を興味や好奇心だけでは終わらせないように、可視化するプロファイルシートも構築した。細分化された10の自然科学力で評価し、学生がつけた力、今後意識してつけるべき力が概観できるレーダーチャートにしている。累積時間で体験学修を評価するのに留まらず、その達成度合いを質的評価し、偏りのない知識吸収を促し、次の目標を設定できるようにしている。さらに、その成績優秀者には学内資格も認定している。<br>結果<br> 以上のような実験や観察を中心とした体験学修を実施している。工夫の一つとして、学生自身が記入をする「振り返り帳」を実施している。環境寺子屋入塾の当初は自己反省・感想にとどまっていた記述が、回を重ねるにつれ、自己分析および「教える側」の視点へと成長がみられた。また、文科系出身の学生を積極的に参加させるためには、彼らが比較的興味を持ちやすい内容であること、人文社会学ともコラボする内容が好ましいなどの知見も得た。<br>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559891328
  • NII論文ID
    130005470052
  • DOI
    10.11428/kasei.64.0_112
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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