老化促進マウスにおけるグリセロホスホコリン(α-GPC)の長期摂取による効果

書誌事項

タイトル別名
  • The effect of alpha glycerophosphocholine in SAMP8

説明

【目的】酒粕に多く含まれ,レシチンの脱アシル化によって得られるα-GPCは,神経細胞に必要なコリンの良い供給源であると考えられており,脳機能保護の可能性が示唆されている。我々は経口摂取による有効性を明らかにするために,マウスへの経口投与試験を進めている。昨年度,本大会において6ヶ月齢時における効果について報告した。その後も投与を続け,α-GPCの長期経口摂取が各種臓器に与える影響について検討を行った。 【方法】早期学習記憶障害モデル動物である老化促進モデルマウスP8系(SAMP8)に,α-GPC(20mg/1kg/1day)を自由摂取させた。脳機能は,行動科学試験によって評価した。また飼育終了後,血液検査や組織化学評価等によって脂質代謝や肝臓・血液-脳関門(BBB)等に与える影響について検討した。 【結果】新奇物体認知試験ではα-GPC群が有意に新奇物体へ興味を示した。しかし,BBBの保護効果はみられなかった。血液検査では、総コレステロールおよび遊離脂肪酸においてα-GPC群が有意に低い値を示した。組織化学評価では、対照群の肝臓に死細胞や炎症が多く見られた一方で,α-GPC群では見られなかった。以上の結果から,α-GPCの経口摂取は加齢に伴う疾病のリスクを下げる可能性が示唆された。  本研究の一部はSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「次世代農林水産業創造技術」によって実施された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559907072
  • NII論文ID
    130005484260
  • DOI
    10.11428/kasei.67.0_168
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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