ヴィクトリア朝の服飾表現にみる女性の自立と身体観に関する研究(2)

書誌事項

タイトル別名
  • Victorian Women's Independence and their Body Images Shown through their Selecting costumes(2)

説明

目的 ヴィクトリア朝女性雑誌を研究して記事を分析し、文献情報を確立することを目指してきた。今回はさらなる資料の検討を行い、ヴィクトリア朝の女性の自立と身体観に関する実態を引き続き検討する。主として演劇、キャラクター、アウトドアファッション、レジャースポーツ、ジャポニスムの視点から研究をする。方法 19世紀に刊行されたイギリスの女性雑誌をさらに調査し、それらの記事を分析する。今回は、「イラストレイテッド・スポーティング・アンド・ドラマティック・ニュース」「イングリッシュウーマンズ・ドメスティック・マガジン」「レディズ・レルム」「マイラズ・ジャーナル」「レディズ・ピクトリアル」を取り上げる。結果 雑誌記事の分析により、次のことが明らかになった。1.当時の風俗である「新しい女性」をテーマとした劇評を検討した結果、記事の紹介頻度や論調によって、演劇がどのように人々に受け止められていたのかがわかった。2.ヨーロッパ19世紀に広く流行していた観相学の視座を応用して、衣服と着用者のキャラクター(心理、性格、本質)の関係をショールの意味論として構築できた。3新しく流行したスポーツを楽しむ女性の服飾を分析した結果、結婚や仕事に対して、新しい考えを持つ女性たちが、機能的な衣服を装うことでその進歩的な生き方を表象しようとしたことが明らかとなった。4.レジャースポーツの服飾では、テーラーメイドのデザインが身体表現の意識の変容に影響を与えたことが明らかになった5.当時の趣向であるジャポニスムの視点から服飾を検討し、日本の服飾であるキモノやそれを纏う日本人の仕草が新たな身体観として西洋の女性に自らの身体を確認させるきっかけとなったことが明らかになった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559911168
  • NII論文ID
    130005470067
  • DOI
    10.11428/kasei.64.0_102
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ