PPAR活性化を指標とした大豆由来成分の脂質代謝改善効果の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Imprrovement of lipid metabolism by soybean-derived components targeted to PPAR activation

説明

目的 日本人の食生活において古くから親しまれてきた大豆の成分について、様々な機能性が注目され多くの研究がなされているのが、その分子作用機構の解明は十分ではない。我々は、脂質代謝の関与する核内受容体PPARを指標とした食品成分の機能性評価を続けており、PPAR活性化能を有する成分を同定し、本学会においても報告してきた。そこで本研究では、大豆タンパク質摂取による脂質代謝改善効果とPPAR活性化の関与について、PPARα欠損型マウスを用いて検討した。 <br> 方法および結果 大豆の主要タンパク質であるβ-コングリシニンを20%含む高脂肪食を、4週間マウスに摂取させた。野生型マウスでは、カゼインをタンパク源とした場合に比べて、体重増加抑制や血漿トリグリセリド(TG)濃度の減少が認められた。この効果は、PPARα欠損型マウスでも見られ、PPARα活性化の関与は認められなかった。そこで、大豆タンパク質の栄養値に注目し、第1制限アミノ酸のメチオニンを添加して同様の実験を行った。その結果、PPARα依存的な体重増加抑制、白色脂肪重量の減少、血漿TGおよび遊離脂肪酸濃度の減少が認められた。さらに、肝臓で産生され脂質代謝に関与する因子の遺伝子発現が誘導され、その効果はPPARα依存的であった。以上の結果から、β-コングリシニンはPPARαを活性化し、脂質代謝改善効果を示す可能性が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559920128
  • NII論文ID
    130005484270
  • DOI
    10.11428/kasei.67.0_163
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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