足底部皮膚軟部組織欠損に対する再建術の治療成績

DOI

抄録

【目的】足底荷重部の皮膚軟部組織欠損の治療法の選択は重要である。今回、我々は足底部皮膚軟部組織欠損に対する再建術の治療成績について検討を加えたので報告する。【対象】症例は10例で内訳は、男6例女4例、手術時年齢2?70歳(平均42.2歳)であった。皮膚軟部組織欠損の原因は、外傷が7例、腫瘍摘出術後が2例、難治性潰瘍が1例であった。欠損部位は踵部が7例、前足部が3例であった。治療法は遊離内側足底皮弁移植が3例、遊離広背筋皮弁移植が2例、遊離肩甲皮弁移植が1例、島状内側足底皮弁移植が1例、局所回転皮弁移植が1例であった。そして2例に健側の内側足底部から採取された皮膚が全層植皮された。遊離広背筋皮弁、遊離肩甲皮弁移植が施行された症例は広範な皮膚欠損を伴った症例であった。【結果】術後追跡調査期間は平均3.2年(3ヶ月?11年)であった。特に問題なく荷重歩行が行えていたものは、6例であった。広背筋皮弁が移植された1例は潰瘍の再発のため通院中であった。肩甲皮弁が移植された1例は、潰瘍の防止のため免荷装具を装着していた。そして遊離内側足底皮弁を移植された2例でも胼胝形成による痛みを訴えていた。【まとめ】足底部皮膚軟部組織欠損に対しては、広範な欠損例であっても、荷重部を中心に内側足底皮弁で被覆することが望まれる。しかし、内側足底皮弁移植を施行された症例でも、胼胝形成による問題を残しており、更なる治療法の改善が必要である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560062336
  • NII論文ID
    130006957968
  • DOI
    10.11359/cjaost.105.0.242.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ