胸椎硬膜外に発生したdumbbell型cavernous hemangiomaの2症例

説明

【目的】Cavernous hemangiomaは、中枢神経系に発生する血管の形成異常、過誤腫と考えられている。今回、我々は、胸椎硬膜外に発症したdumbbell型cavernous hemangiomaの2症例を経験したので報告する。<BR>【症例1】78歳男性。両足部のしびれと歩行障害を訴え、MRIにて胸椎硬膜外から椎間孔を通って傍脊椎に及ぶdumbbell型腫瘍を認めた。術前診断でhemangiomaは疑わず、後方より椎弓肋骨切除、腫瘍全摘出術を試みた。術中腫瘍からの出血が多く結果的に部分摘出となった。術中出血量は1650mlであった。<BR>【症例2】52歳女性。体幹から両下肢へのしびれと歩行障害を訴え、MRIにて胸椎硬膜外から傍椎体に及ぶdumbbell型腫瘍を認めた。術前MRIにてhemangiomaを疑った。慎重に椎弓切除を行い硬膜外に怒張した静脈様の腫瘍を認めた。椎間孔部で腫瘍を焼却切離し脊柱管内のみを摘出した。出血量は150mlであった。病理所見は2症例ともにcavernous hemangiomaであった。<BR>【考察】Epidural cavernous hemangiomaは椎体発生例が二次的に硬膜外に進展したものが多く、純粋に硬膜外に発生しdumbbell型を呈した報告は少ない。術式選択のうえで術前診断が重要である。MRI像はT1 isointensity、T2 high intensity、造影MRIで均一なenhanceと特徴的であり、診断に有用である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560195200
  • NII論文ID
    130006958178
  • DOI
    10.11359/cjaost.105.0.308.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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