滋賀県在来カブの形態と官能評価

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Morphological and sensory evaluation of traditional turnips in Shiga

抄録

【目的】伝統野菜は、地域の気候、風土などに適した固定選抜が繰り返されながら受け継がれ、地域の生活文化を担ってきた。しかし、栽培や輸送における手間やコスト、食生活の変化などにより、継承が危ぶまれているものも多い。本研究では、伝統野菜の継承のためにその特性を整理することを目的とし、滋賀県在来カブと江戸時代に滋賀県から伝播したとされている県外の在来カブを栽培して、形態および官能評価を実施した。<br>【方法】滋賀県在来カブ12品種と他県種3品種の種子を生産者、あるいは種苗店、滋賀県農業技術振興センターから分譲を受け、滋賀大学内で栽培した。形態評価は、農業生物資源研究所特性評価マニュアルに準じて実施した。官能評価は、生カブと甘酢漬カブについて、滋賀大学学生と教職員43名をパネルとし、5段階評点法で実施した。<br>【結果】在来カブの形、大きさ、色は変化に富み、他県種もその元とされる在来カブと大きく異なっていたが、これは、それぞれが地域で独自に固定選抜されてきたためと考えられる。官能評価では、生カブの総合評価と味の好ましさ、あるいは香りの好ましさとの間に強い相関関係がみられ、辛味や渋味あるいは苦味が強くなく、甘みの強いカブが好まれる傾向があった。一方、甘酢漬カブでは、総合評価と味の好ましさ、あるいは色の好ましさとの間に高い相関がみられ、パネルは、生カブと甘酢漬カブで異なった基準を持って評価した可能性が示唆された。<br><br>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560205056
  • NII論文ID
    130005256311
  • DOI
    10.11428/kasei.68.0_87
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ