給食室より廃棄された人参外皮の染色への活用

  • 福田 典子
    信州大学、学術研究院、人文社会科学域、教育学系

書誌事項

タイトル別名
  • Utilizing school lunch center carrot skin as a fbric dye

説明

目的 人参は栄養価や価格の面より学校給食や医療福祉関連の大量炊飯調理において欠かせない食材の一つであり、外皮の分別作業も比較的容易であると考えられる。そこで、本研究では、厨芥廃棄物の活用化に注目し、人参外皮色素の染色への可能性を探ることを目的として、温度、時間、助剤の添加効果による染色布の色調変化について、さらにそれらの各種堅ろう性について検討を試みた。 方法 2013年度に自校給食室より廃棄された人参外皮を用いた。試料として、3種の毛白布を用いた。助剤として酢酸、炭酸カリウムを用いた。電子レンジを用いて乾燥後、一定条件で保存後、純水中にて煮沸抽出し染色液を得た。抽出液の吸収スペクトルは紫外可視分光光度計により測定した。染色はインキュベータ内で、一定条件で行った。染色前後の表面反射率よりF値(k/s)を算出した。色調は色差計でL*a*b*を測定し比較した。日光、洗濯、摩擦堅ろう度試験はJISに準拠した方法で行い評価した。 結果 人参外皮水抽出液のpHは5.4程度であった。抽出液のスペクトルの形状およびピークは、室温1週間程度の保存の範囲では比較的安定であった。毛染色布の色調は黄味かかった薄茶色(2.5Y9/1.5程度)であった。染色布のK/S値は温度および時間とともに大となり、濃色化を確認できた。1%濃度以下の添加において酢酸および炭酸カリウム添加により染色布は濃色化した。得られた染色布は日光(カーボン)4-5級、洗濯4-5級、摩擦(乾)5級以上であることが明らかとなった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560327552
  • NII論文ID
    130005484301
  • DOI
    10.11428/kasei.67.0_224
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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