エアコン内部の真菌汚染に関する実測調査

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タイトル別名
  • Contamination of Air Conditioners by Fungi

抄録

<br><br>目的 エアコンの普及率は92.5%(2016年内閣府調べ)となり、熱中症を予防するうえでも適切な使用が望まれる一方で、冷房時にエアコン内部は結露しやすく、真菌汚染の被害を受けることがある。真菌はアレルギー疾患の原因となりうることが知られているが、近年、病原性のある好温性真菌も室内塵等から検出されている。そこで本研究では、エアコンの内部の一般真菌および好温性真菌による汚染状況を実測調査し、汚染度に影響する要因を検討する。<br><br>方法 近畿圏の6件の住宅における19台のエアコンを調査対象とした。使用年数は2年から14年である。真菌の測定はふき取り法(Pro-mediaST-25,ELMEX)とし、吹出口と送風ファンからサンプリングした。25℃培養条件では、サンプルの汚れ度を目視評価して希釈倍率を調整し、0.5mlずつDG18培地の入ったシヤーレに接種、40℃培養条件ではサンプルをそのまま接種した。25℃条件の培養期間は7日から9日間、40℃条件は3日から4日とした。実測は2016年7月と10月に実施した。<br><br>結果 一般真菌については、吹出口からは0~4,800cfu/㎠、送風ファンからは0~73,000cfu/㎠検出され、夏季、秋季ともに吹出口よりも送風ファンからの検出数が多かった。検出頻度が高かったのは、CladosporiumやPenicilliumであった。40℃条件では真菌数は少ないものの7台から、A.niger,A.fumigatus,A.flavus等が検出された。掃除機能の有無や埃の量、室内温熱環境、設置階数等と真菌数との関連性が確認された。<br>本研究は文部科学省科学研究費補助金(基盤研究(C)課題番号15K00769)により実施した。<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560501504
  • NII論文ID
    130005790951
  • DOI
    10.11428/kasei.69.0_85
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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