加熱ツバキ油または加熱オリーブ油の摂取が脂質代謝に与える影響

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タイトル別名
  • Effect of intake of heated camellia oil or heated olive oil on lipid metabolism

抄録

目的 長崎県の五島列島はツバキ油の生産地であり、塗布および食用として利用されてきた。ツバキ油はオリーブ油と同様、オレイン酸の含有率が高い油脂である。しかし、食用として世界的に使われているオリーブ油に比べて、ツバキ油は認知が乏しい。 そこで本研究では、調理科学への基礎的知見を想定し、加熱したツバキ油またはオリーブ油の摂取が肝臓を中心とした脂質代謝機能にどのような影響を及ぼすのか検証することを目的とした。  方法 4週齢のICR雄マウス24匹を個別ケージにて馴化後、4群(n=6)に分け、4週間飼育した。設定した群は、AIN93Gの油脂源を7%ツバキ油に代替した"ツバキ油群"、加熱した7%ツバキ油に代替した"加熱ツバキ油群"、7%オリーブ油に代替した"オリーブ油群"、加熱した7%オリーブ油に代替した"加熱オリーブ油群"である。加熱ツバキ油およびオリーブ油は、180℃のアルミブロックヒーターで各油を1時間加熱して作製した。飼育終了後、解剖により採取した精巣上体脂肪、腎臓周辺脂肪および肝臓の重量を測定し、さらに肝臓はトリアシルグリセロール(TG)、総コレステロール(T-Chol)を測定した。血漿はTG、T-Chol、遊離脂肪酸(NEFA)の測定およびGlutamic oxaloacetic transaminase (GOT)活性、Glutamic pyruvic transaminase (GPT)活性の測定を行った。統計解析は二元配置の分散分析の後、p≤0.05の時Tukey-Kramer法を用いて検定した。  結果 摂食量は全群で差がみられなかった。しかしながら体重増加量および精巣上体脂肪重量は、加熱することで非加熱油の摂取より重くなった。血漿分析において、加熱群のT-Chol濃度は非加熱群より高くなった。肝臓の脂質分析では、ツバキ油群のT-Chol量がオリーブ油群より有意に増加した。また、ツバキ油群は加熱ツバキ油およびオリーブ油群よりも高い傾向にあった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560505984
  • NII論文ID
    130005790953
  • DOI
    10.11428/kasei.69.0_87
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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