大学寮における冬期の居住環境の実態と改善策の提案

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タイトル別名
  • Actual conditions of winter living environment in university dormitories for students and proposals of improvable methods

抄録

目的<br> 大学寮における冬期の居住環境の実態を把握し、夏期と冬期における居住環境の問題に対する検証実験を行い、改善策を提案する。<br><br>方法<br> N大学のA・B寮の空き室、居室、廊下、脱衣室、補食室の温湿度を2015年12月~2016年2月に計測し、測定期間中に2回これらの空間の表面温度と風速を測定した。一方、冬期における温冷感等の居住環境評価、居住環境問題や防寒対策等に関するアンケート調査を行った。さらに、冬期における熱伝導や冷放射及び隙間風等による寒さや結露の問題と、夏期における日射入射や夜間の高室温保持等の問題に対する改善策を提案して検証実験を行った。<br><br>結論  知見を以下に示す。<br>1)冬期の寮生室において、窓の表面温度が低いことによる冷放射や隙間風の流入、低温な床面での熱伝導や冷放射の影響により、無暖房時において寒い側の評価の割合は90%以上であった。また、2壁面からの放出熱量が大きい角部屋の室温は中部屋より低い。<br>2)寮生室における結露発生割合はA・B寮で71%・48%であり、特に窓面や窓枠での発生割合が高い。検証実験により、壁から家具背面までの距離を3cm以上離すことにより湿度の上昇を緩和できることを確認した。<br>3)床面に断熱材やアルミシートを、窓面に隙間テープ・プチプチシートを設置することにより、室内側表面温度を上げる対策を示した。<br>4)夏期によしずを設置すると日中の窓近傍の温度上昇を抑える対策や夜間に欄間窓を開放して温度差換気により室温が低下す対策を示した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560516096
  • NII論文ID
    130005790958
  • DOI
    10.11428/kasei.69.0_81
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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