肘部管症候群に対するサージエアトームを用いた上腕骨内上顆切除術

説明

(はじめに)肘部管症候群の手術法の中でもKing変法は長期に安定した成績が期待でき、その適応範囲も広い。しかし、屈筋群を上腕骨内側上顆より1度完全に剥離し、再逢着するため決して低侵襲とは言えず、近年ではOsborne法が再評価されている。そこで我々は、King法をより低侵襲で行えるよう、サーシ゛エアトームを用いた内上顆切除法(エアトーム法)を考案した。今回は2年以上経過した術後成績における有用性と問題点について報告する。(対象と方法)対象は過去3年間に当科でエアトーム法で手術を施行した肘部管症候群23例24肢で、男性17例18肢、女性6例6肢、平均年齢は54.3才、術後観察期間は平均3年1カ月であった。対照は、それ以前にKing変法で手術を施行した肘部管症候群46例とした。(結果)エアトーム法での平均手術時間は39分で、対象とした従来法より42分少なかった。これまで特に術中操作による合併症は認められず、皮切は従来法の1/2以下の小皮切で施行可能であった。電気生理学的検討では、術前・後の複合筋活動電位振幅の変化と神経学的所見の術後回復の経過は対照とした従来法での46例とほぼ同様であった。(考察)内上顆切除を本法を用いて行うことにより、屈筋付着部を剥離することなく、皮切を含め小侵襲で行える上、術後も屈筋の再逢着が必要ないため外固定も省略可能な有用な方法と考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560567680
  • NII論文ID
    130006958380
  • DOI
    10.11359/cjaost.105.0.193.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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