鼻腔経由の香りが味覚に与える影響に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Influence on taste of the fragrance

説明

目的:我々が「美味しさ」を判断するとき、味、におい、テクスチャー、温度、色、形状など多様な情報を受容し、総合的に「美味しさ」を決定している。中でも、「におい」というファクターが味覚に対して大きく影響を与えることは既往の研究によって明白となっているが、既往の研究のほとんどは食品フレーバーを添加したものについての検討であり、風味としての結果が得られている。そこで本研究では鼻腔経由のみのにおいが味覚に与える影響を対象とし、香りを住空間における環境フレグランスとして想定した際の味感覚の変化を検討した。 方法:実験方法は天然水の入ったプラスチックカップの淵に香料を付香し、付香した側の淵が鼻に近くなるようにして、そのにおいを嗅ぎながら天然水を試飲させた。また、においの臭気強度を変化させ、においの強さの違いによって想起される味感覚の変化についても検討を行った。 結果:今回用いたレモンの香気成分の中で、D-リモネンにおいては、試飲した際には「すっぱみ」の評価が増強された。しかし、においから想起される味感覚は「にがみ」を感じており、実際に試飲した場合とは異なる評価が得られた。また、においの強さが増加すると、想起される味のイメージは、「にがみ」の評価が減少し、「すっぱみ」、「あまみ」が増強されたことから、実際に試飲した時の評価に近くなる傾向が見られた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560668928
  • NII論文ID
    130005484429
  • DOI
    10.11428/kasei.67.0_79
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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