グリセロホスホコリンの脳機能保護効果の検討

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タイトル別名
  • The effect of orally administered alpha glycerophosphocholine in SAMP8

抄録

目的 大豆や卵黄の主要なリン脂質であるレシチンから脂肪酸が脱アシル化したグリセロホスホコリン(α-GPC)は,神経細胞に必要なコリンの良い供給源であると考えられている。そのため,老化に伴う脳機能の低下に対する予防効果が期待されている。そこで,経口摂取による有効性を検証するために,老化促進モデルマウスに対してα-GPCの経口投与を行い,α-GPCの脳機能保護効果について検討した。<br>方法 老化促進モデルマウス(senescence-accelerated mice; SAM)のうち,早期学習記憶障害モデル動物として確立されたP8系(SAMP8)に,蒸留水に溶解したα-GPC(20 mg/1 kg/1 day)を自由摂取させた。対照群には蒸留水を自由摂取させた。脳機能保護作用については,新奇物体認知試験や受動的回避学習試験等の行動科学試験によって評価を行った。<br>結果 4ヶ月間の投与後に行動科学実験を行った。新奇物体認知試験では,α-GPC群が対照群に比べ有意に新奇物体への興味を示した。また,受動的回避試験においてもα-GPC群が対照群に比べ脳機能が高かった。一方,オープンフィールド試験等では両群に差は認められなかった。これらの結果から,α-GPCが老化に伴う脳機能の低下に対して保護的に働く可能性が示された。また,生存率も対照群と比べ長期間にわたって高い傾向があることから,抗老化作用と関連があることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560784384
  • NII論文ID
    130005470352
  • DOI
    10.11428/kasei.66.0_173
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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