編地の滑りやすさ

書誌事項

タイトル別名
  • Slip of knit fabrics

説明

目的 編地はTシャツ、セーター、服地、スポーツ衣料、下着など幅広い用途に使われている。一般的に織物より滑りにくいといわれているが、滑りやすさには差があるように感じられる。滑りやすさに影響を及ぼす主な要因は何かを検討するために、編地の編み方、ゲージ、材料繊維、水分率などと布の摩擦係数との関係を調べた。<br>方法 試料として繊維組成が綿、羊毛、絹、ポリエステル、ナイロン、アクリルとその混紡等である市販のTシャツ、セーター、スポーツ衣料品などを用いて、編み組織、厚さ、糸の太さなどを測定した。また、摩擦感テスターKES-SEを用いて、ピアノ線センサーにおける布の摩擦係数を乾燥状態と湿潤状態で測定し、後者では水分率を求めた。<br>結果 編物は織物に比べて滑りやすさに大きな差があった。編み方による差も大きかったが、同一布でも横メリヤス平編みでは一般的に表裏、縦横方向で滑りやすさに違いがあり、滑りやすさは表目縦、裏目横、表目横、裏目縦方向の順で、最大2倍の差があった。また、一般論として糸が太く目が大きくなるほど滑りにくく、滑りやすい素材は合成繊維や絹の細いフィラメント糸が使われていた。綿素材でもポリエステルフィラメントとの混紡品では滑りやすくなった。湿潤状態では織物同様乾燥状態より滑りにくくなった。しかし、織物と異なり合成繊維でも湿潤によって著しく滑りにくくなる素材があって、バラつきも大きかった。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560793344
  • NII論文ID
    130005470365
  • DOI
    10.11428/kasei.66.0_17
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ