体験学習を取り入れた調理実習による食育の効果
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect on dietary education of cooking through learning by experience
説明
【目的】現在の調理実習の授業は、食材や調味料の計量、手順を記載したレシピを中心とした計量や数値を強調した教授方法が主流である。学校教育において、調理実習は体験的に実感を持って「食」の大切さを学ぶ授業として、食育を学ぶために有効な授業科目である。そこで、調理実習に、更に食農体験と調理学実験を組み合わせたカリキュラムを展開し、食育を推進する調理実習の新たな指導内容を検討した。<br>【方法】授業科目「調理学及び実習」は、調理実習、食農体験、調理学実験の内容を組み合わせ指導計画を立てた。内容は、食育推進の基本施策の効果と対応させ、調理実習において「健康的な食生活の習得・実践」を目指し、実習献立を実習後、栄養価計算を課して、食事バランスを考察させた。食農体験では「食に対する感謝の心」を目指し、畑の開墾から除草などの整備を行い、農作物を栽培し収穫した。収穫作物は、新鮮なうちに調理・加工し、試食させた。調理学実験は「安全性・栄養等に関する知識と適切な判断力」を目指し、食材の調理現象を体験し実験記録を課した。授業の総括として、学生各自による模擬授業を実施し、授業内容の復習を試みた。<br>【結果】「調理実習―食農体験―調理学実験」を組み合わせた授業カリキュラムは、収穫した野菜を調理して試食したり、調理加工している間に野菜を収穫したりと、従来の献立中心の実習では習得できなかった一回の授業内で、生産から調理までの一連の消費過程を学ぶことができた。食農体験では作物の収穫などの繰り返し作業が、身を持って体験した知識の定着に有効であった。また、模擬授業は、教材研究を進めていくことで、自分自身の食に関する理解を深める手段となったと推察される。
収録刊行物
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- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
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一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 64 (0), 29-, 2012
一般社団法人 日本家政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205560989568
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- NII論文ID
- 130005470145
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可