黒、茶、黄大豆エダマメの細胞壁構成多糖について

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タイトル別名
  • Cell wall polysaccharides of various kinds of immature soybeans; Black, brown and yellow soybeans

抄録

【目的】近年、有色大豆のエダマメが独特の風味と歯ざわりを持つことで人気を博している。エダマメのおいしさには、糖や遊離アミノ酸などによる甘味や旨味以外に、食した際のテクスチャーが深く関与している。本研究では、種皮色の異なる大豆エダマメの細胞壁構成多糖の構成の違いを、テクスチャーとの関連性について明らかにしようとした。【方法】実験に用いた黒大豆エダマメは、京都府農業総合研究所で栽培・収穫した「紫ずきん」を、茶大豆エダマメと黄大豆エダマメは仙台産と岐阜産の新鮮なものをスーパーで購入し試料とした。細胞壁構成多糖は、ペクチン画分(水及び熱水可溶、シュウ酸アンモニウム可溶画分)、ヘミセルロース及びセルロース画分(アルカリ可溶、不溶画分)に抽出分画し、構成糖はGLCを用いて分析を行った。水可溶性オリゴ糖はHPLCを用いて測定した。硬さは、エダマメを茹でた後クリープメーター(山電、RE-3305)を用い破断強度として測定した。【結果】細胞壁構成多糖の100gあたりの収量は、黒大豆エダマメが一番多く16.8gであった(>黄大豆エダマメ15.7g>茶大豆エダマメ10.3g)。ペクチン画分の割合も、黒大豆エダマメが一番多く75.1%であった(>黄大豆エダマメ66.8%>茶大豆エダマメ59.8%)。細胞の骨格をなしているセルロース画分の割合は茶大豆が最も多く13.5%であり(>黒大豆エダマメ11.6%>黄大豆エダマメ5.1%)、茶大豆エダマメの硬さとの関連性が示唆された。水可溶性オリゴ糖の組成や含有量は、種類によって違いがみられた。細胞壁構成多糖の組成については現在検討中である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205561171712
  • NII論文ID
    130005440256
  • DOI
    10.11428/kasei.55.0_141_2
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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